GriっとEnglish

「grit」とは英語で「やり抜く力」の意味。
英語で最も大切なのはGritだと信じています。
本サイトでは英語学習にとって役立つ情報や動画などを掲載しています。

It is better to be a human being dissatisfied than a pig satisfied;
better to be Socrates dissatisfied than a fool satisfied.
-John Stuart Mill (1806-1873) -

英語の学習アドバイザーをしています。
英語の質問・英会話のパートナー・英検・TOEICなど資格試験のアドバイスもしています。
カウンセリングなどご希望の方はどうぞお気軽にお問い合わせください。

2019年07月

今回ご対談頂いたNさんですが、何とNさんの方からお申し込みのご連絡を頂きました。通常であればこちらから先方にDMをお送りし、対談のオファーをさせて頂く流れです。しかし今回はNさんの方からわざわざこちらにご連絡を頂いたのです。大変驚きましたが、ぜひともお話を伺いたいと思い、714日(日)に対談を実施させて頂きました。

当日はSkypeでお話を伺うことになっていましたが、なぜかNさんの声が私に届かずアレコレしているうちに30分も遅れてのスタートとなりました。Nさんには本当にご迷惑をおかけし申し訳ありませんでしたが、その一方で大変有意義なお話を聞くことができました。

Nさんは、大手企業で勤務をされています。現在は東京で勤務されていますが、アジアや北米などでの勤務経験もおありです。ヨーロッパや東南アジアでのプロジェクトも手掛けておられ、世界を股にかけてご活躍されているビジネスパーソンです。また、お子さんも1人いらっしゃるよきお父さんでもあります。

Nさんは音読について、人並ならぬ情熱をお持ちです。そんなNさんの英検1級合格体験記を読んで音読を実践し、みなさんも英検合格を目指しましょう!    


はじめに

(お申し出を頂いたメッセージより)

私は飲み込みが遅く、語学を勉強してもスタート時点で他人より大きく差を付けられるような性格です。英語を勉強したときも、中国語を勉強した時も、いつもそうでした。でも、理にかなった方法で努力をし続けられれば、徐々に力が付いて来ると思います。 昨年、思い立って大学以来久々に英検を受ける気になりました。大学時代準1級に合格したのは199110月でしたから、27年ぶりの英検、それも1級に挑戦しました。3ヶ月の準備の結果、一発合格出来ました。一次:G1+5、二次:G1+2 CSE合計2,804 でした。私のようなものでも英検1級合格可能ということを、皆さんにお伝え出来ればと思っています。

(以下からが対談内容です)
  ――大学時代の英語の取り組みはどうでしたか?

私は大学生時代は経済学部にいたので、自分で英語を勉強するくらいでした。大学2年生で英検準1級を取りました。その時は過去問を使ったり、リンガフォンの米語中級コースのCD版を買って通学中に聞いて勉強していました。英語はコツコツとはしていた方です。

  ――TOEICの受験はおありですか?

TOEICに関しては大学を卒業した時点で860点でした。会社に入って英語をほとんど使う機会はなく、むしろ入社後、中国の大学に派遣された際に習得した中国語を専らメンテナンスしていました。200711月にTOEICを再受験した際910点取得し、それ以来受験していません。

  ――國弘正雄氏に師事されていたそうですね。

同時通訳で有名な國弘正雄先生と高校1年生の時から30年来の付き合いがありました(筆者注:國弘氏は2014年にお亡くなりになりました)。私は國弘先生の影響を大きく受けています。

國弘先生は、意味を理解した英文をひたすら音読する「只管朗読」を提唱されています。それが英語学習にとって一番重要だということを主張されています。

國弘先生は20年ほど前に講談社から『英会話・ぜったい 音読』という本を出版されています。その中の『英会話・ぜったい音読 挑戦編』ですが、私はそれを今から10年くらい前、TOEICを受験した前後にLesson110までを100回以上音読したんです。それぐらいから英語力が付いてきた気がします。

英会話・ぜったい・音読 【入門編】―英語の基礎回路を作る本


英会話・ぜったい・音読 【続・入門編】 (CDブック)


英会話・ぜったい・音読 【標準編】―頭の中に英語回路を作る本


英会話・ぜったい・音読 【挑戦編】―英語の上級回路を作る本


英会話・ぜったい・音読 【続・挑戦編】 (CDブック)


音読方法ですが、最初はCDを聞きながら一緒に音読していくんです(筆者注:オーバーラッピング)。20回も読んでいくとCDが無くても自分でスムーズに読めるようになってくるんですね。最後の10回くらいはスクリプトを見ずにシャドーイングをしていきます。

私の場合、勉強のタイミングについては主に隙間時間を使います。朝食を取って出社する前の10分くらいの時間や、夕食を食べてからの空き時間なども使っています。

(筆者注:國弘氏については改めて後述します)

  ――通訳者の横山カズさんともお知り合いだそうですね?

横山カズさんに去年10月にお会いしてチャットする仲なんです。あの人は本当に元気がありますね。代表的なのは『パワー音読』です。カズさんの本は無生物主語が中心で、本の後半になってようやく人物主語が出てくるんです。無生物主語は英語として自然な表現ですが、そういうのを積極的に使うのがいかにも彼らしいですね。かなり目からウロコな表現が学べますよ。

[音声DL付]最強の英語独習メソッド パワー音読入門


CD付 ビジネス英語パワー音読トレーニング


英検1級を目指したきっかけ

最近の英検がどのようなしくみになっているんだろうと関心を持ったのが1級受験を目指したきっかけです。

去年秋に某英会話学校がイベントを開催したのでそれに参加しました。そこである出版社の社長とお話をする機会がありました。その方から最近ではTOEICよりも英検が見直されているという話をお伺いしました。

英検の準1級は大学生の時に受けましたが、それ以来受けてはいませんでした。せっかく興味も持ったことだし、ということで受験を決意しました。CSEスコアが導入されたのも実はそこで初めて知りました。    

勉強方法

受験のために購入したテキストは実は過去問と『でる順パス単』のみでした。

【音声アプリ対応】英検1級でる順パス単 (旺文社英検書)

新品価格
¥1,836から
(2019/3/25 17:28時点)


過去問は買って勉強しましたが、結局全体の
2回分くらいしかやりませんでした。受験すると決めてから受験当日までわずか3ヶ月しかなく、過去問にあまり手が回らなかったというのが正直なところなんです。

私は、杉田敏先生の『グローバル時代の英語』を25回音読・5回シャドーイングする、というところから練習をスタートしました。

NHKCD BOOK NHKラジオ 実践ビジネス英語 杉田敏のグローバル時代の英語 (NHK CDブック)


単語については先ほど述べた『でる順パス単』を使いました。この単語帳は内容がコンパクトに纏まっており、本当によくできていると思います。ただ、試験までの期間が
3カ月しかなかったこともあり34周くらしかできませんでした。全体の5060%を覚えた状態で本番に臨みました。結果的に、試験本番の語彙問題は25問中半分くらいの正答率でした。現在でもまだ覚え切れていない単語がありますので、辞書代わりとして利用しています。

英検1級の単語はあまり身の周りでは見ないという批判もあります。しかし、トランプ大統領のインタビュー記事などを読んでいても『でる順パス単』に掲載されている単語が使われていますよね。

リーディングについては、Asahi Weeklyを講読しているのでそれが試験対策となりました。また会社で英文のレポートを読んでいます。また、私が携わっている業務に関するニュースが色々英語で飛び込んでくるので、それを朝から読むように心がけていました。

FullSizeRender

仕事に関する英文は内容的には難しいとは思います。私は毎日A4サイズ10枚分くらいの分量を読みます。量は結構多いのですが、専門用語が分かれば慣れてきます。私が携わっている分野の専門用語は英検とはやっぱり違いますので、英検は英検の準備をしておく必要がありますね。

英字新聞に関しては見知らぬ単語がありましたので、それをチェックして何度も何度も音読をしました。また、単語については音読しながら筆写していきました。

ライティングについても音読が効果を発揮しました。音読することによって書きたいことがパッと思いつくようになるんです。実際に練習でライティングしたものを見直してみると、音読で身に付けた表現とでは不自然に感じる書き方をしていることが感覚で分かるようになるんです。ライティングの感覚を養成するためにも音読は絶対に必要だと思います。

ライティングしたものをネイティブに添削してもらうようなことは特にしてもらいませんでした。実は私が所属する部署では定期的に英語で報告書を書くんですが、その編集や文法のチェックを私がしているんです。原稿が出来上がって来てからそれを3回くらい読み、編集したものを2回読み直しますので、少し大変ではありますね。

もちろん、添削をしていて不安や気になる箇所がたまに出てくるので、そこはインターネットで調べています。ネイティブに聞くことは今はあまりないです。数年前までは私が書いたものをネイティブに見てもらうことがあったのですが、最終的に添削されることがほとんどなくなりましたからね。

英検のライティング対策はほとんどしなかったのですが、このように仕事で使ってきたことが結果的によかったと思います。本番でも結果的にcontentのところが1点引かれていただけで、32点満点中31点取れていました。

リスニングについては、2回過去問を解いてほぼ満点近かったんです。最後のインタビューのところは他に比べて難しいとは思いましたが、その他は快調に解くことができていました。やはりリスニングについてもシャドーイングをしたことが大きかったんだと思います。

リスニングに関して、仕事ではあまり英語を聞くという機会はありませんでした。テレビ会議で月に1度アメリカ人と話す機会が以前あったくらいです。彼らは凄い勢いで話すので、こちらもそれに負けないように話さないといけないですから、結果的にそれがよかったのかも知れません。

また、CNNや洋画を見るという勉強法も取っていません。教材のCDを使って音読をするということが勉強の中心です。    

一次試験本番・合格発表

試験会場は女性の方が多かったように感じました。資格試験に関しては女性の方が積極的なのかなと思いましたね。

試験は、最初の語彙問題に手こずってしまたんです。単語の記憶の定着が曖昧だったせいです。4択から2択までは絞れるのですが、最終的にどちらかにするかで凄く悩んでしまいました。ふと前の人を見ると3ページくらい先まで進んでいるんです。その時は焦りました。

そうは言えど、リーディング終了後、ライティングは気持ちを入れ替え、とにかく用紙を埋めることを考えて必死に書いていきました。ライティング終了後は顔が熱くなってフーフー言ってました。

ライティングは30分くらい使って書く予定にしていましたが、何とか25分で書き終えることができました。また、ライティング終了後少し時間が余ったので、リスニングの問題に目を通して、問題の分類などをしていました。

私は、書く前にお題(Is a worldwide ban on weapons of mass destruction an attainable goal?)に対する内容を3つメモとして書き、それを元に内容を肉付けしていくという方法を取りました。その内容はすんなり思いつきました。それもやはり、國弘先生の影響も大きかったのですが、『英会話・ぜったい 音読 挑戦編』を100回音読した内容の中に核兵器に関するものがあったのでそれも影響していると思います。

新聞を読み、内容をまとめていることも効果があったと思います。私は朝日と日経を読んでいるんです。あとAsahi Weeklyもですね。朝日と日経については私の仕事の分野や気になったものを毎日スクラップしてるんです。それを会社に持って行き、重要な部分に線を引くということをしています。その中で価値があると思うものであれば、家でスクラップ用のノートに貼っていくんです。それも10年以上やっていまして、倉庫に何十冊と溜まっています。そんな取り組みが、日本語で考えをまとめるということに大きく影響していると思います。

受験後の合否の印象として、リスニングはよかったのですが、リーディングの特に語彙パートがダメだったので、準備不足を痛感しました。結果的に、それはスコアに表れています。これだけがリスニングやライティングに比べて極端に悪かったです。ライティングも採点方法が分からないので、心配ではありました。ですから、これに関しては結局結果が届くまで本当にどうなるのかわからない状態でした。

結果についてですが、合否は会社でネットで確認しました。休憩が終わった後、そんなに忙しくないタイミングにチェックしました。合格を知って、何とかなったなと思いました。特に驚いたのがライティングでしたね。32点中31点貰えてた訳ですからね。そんなにもらえるんだと驚きました。

結果に対して、喜びよりむしろ、二次試験をどうしようか心配になりました。対策を全くしていなかったんです。    


二次試験対策

合格を知ってから、まずはネットで過去問題を探し出し、それをWordに貼り付けました。その中から112問ピックアップして練習するようにしていきました。

私は、練習するトピックを選んだら、その理由を3つ日本語で書き出しました。そして、その紙を見ながらメモした3つについてしっかり肉付けをしていく方法で練習しました。ストップウォッチを睨みながら140秒くらいで話す練習をしていきました。

理由を思い浮かべるということについては、先ほどもお話しましたように新聞のスクラップをしていたお陰で、苦労した記憶はありません。

しかし、練習の段階では長すぎたり、逆に短すぎたりすることもありました。日本語の理由を3つ見ながら話すのですが、短すぎてスピーチが110秒〜20秒で終わってしまうなんてこともありました。    

二次試験当日・結果発表

試験官は日本人の女性とイギリス人だと思いますが男性でした。

実は会場に私の知り合いが何人かいました。あるイベントでお会いした方です。毎年開催されるイベントに来られる方たちで、そこで知り合ったんです。

スピーチの内容は、「規制緩和は一般市民の利益となるか」という内容でした。大学時代に経済学部で規制緩和に関する本は結構読んでいたので、そのテーマを選びました。スピーチ中は間が空いたりするようなこともありませんでした。これも音読が功を奏したと思っています。間を持たせるための言い回しもスパッと出てきました。

ただ、本番はスピーチが早く終わってしまったんです。多分130秒くらいだったと思います。だから点数も7点しかもらえていません。試験官から「アレ、これだけでいいんですか」って逆に聞かれたくらいです。更に話して墓穴を掘り、泥沼にはまるよりはいいかと思い、「はい、これで結構です」と答えました。質疑応答のところで挽回ができるということを事前にネットで確認したので、実際にそこで挽回しようと考えました。

質疑応答は4分経ったらそこでスパッと切られてしまうので、その間喋り倒したというのが本当のところです。

最初の簡単な質問に関しては日本人の女性が聞いてきたんですよ。でも英検1級の試験官にしては頼りない印象でした、こんな言い方して申し訳ないのですが。途中からは完全にネイティブと私の会話でした。

(筆者注:以下はかなり具体的なやり取りの内容になります)

私は規制緩和が一般消費者にとって利益になるという観点から話をしました。規制緩和による企業倒産などの悲惨な例を示した上で、例えば航空業界であればLCCの台頭など、消費者にとってはいい傾向になって来ていると説明しました。会社にとっては利潤が下がるけれども、一般消費者にとっていいことが多いという話をしました。

すると試験官は、利益が減ると企業は倒産して生き残れなくなるが、どう考えるのかと聞かれました。私は、合併をして利益を追い求めるのがいいのではないかと答えました。

更に試験官は、合併すると独占企業になる可能性が有るがどうするのか、と聞いてきたのです。私は、合併する際には先ず、独占禁止法を遵守しといけないですよね、そして独占禁止法を遵守した上での合併だったら最適規模の合併になると思います、と話しました。

他には、お客様にいいサービスを提供することと利潤を保つことのバランスをどのように実現するのか、って聞かれました。私は、とある鉄道会社の例を出し、そこがAIを使ってメンテナンスコストを下げていると話しました。更に最近では、AIや新しいデバイスを利用することと良質なサービスを提供するということが両立出来ているとも瞬時に答えました。

かなり突っ込まれましたが、大学時代に得た知識がありましたし、最近は職場で独占禁止法について勉強していたので、こちらからどんどん話をしていった感じです。逆にネイティブの試験官に突っ込まれ過ぎたので日本人の試験官はついてこられなくなってしまったんだと思います。

結果的に、それが功を奏してスピーチを除く各セクションで9点ずつがもらえたんだと思います。

試験官から意地悪な質問(「会社の利潤が下がれば、あなたの給料も下がるけど、どうするのか」)と聞かれた際も、「That’s a very tough question which directly relates to my way of living.」と言ってニヤッと笑いつつ、話すアイデアを考える時間を作りました。(筆者注:この時Nさんがされた発話のイントネーションや速度から音読の成果を垣間見ることができました。英文を作るのではなく、英語が自動化していてそれがそのまま口から出ている感じでした)

試験後は合格できるという手ごたえはありました。試験終了直前もイギリス人の方は私に質問したがっている感じだったんです。残念ながらタイムキーパーが4分を告げてしまったので、向こうも苦笑いしてたんですよね。苦笑いしながら「I enjoyed a lot.」なんて言っていました。なので合格ラインの602点は越えているとは思いましたが、反面短かったスピーチがどれくらい評価されているのかというのは気になってはいました。

結果を知った場所はやはり会社でした。やっと合格したなと思いましたし、たった3ヶ月の準備でよく合格できたなという気持ちでした。ただ、特に語彙の部分が中途半端だったので『でる順パス単』を使って勉強を継続していかないといけないなという気持ちになりました。今は出る順パス単を使って毎日音読しています。単語の勉強以外には音読や英字新聞を読んでいます。    


66655053_465215277376338_5300290123470995456_n
英検スコア
(Sさんの英検結果)

今後について

英検1級に合格はしましたが、正直その実感がないんです。これでいいんだろうか、という疑問にはよくかられます。同時通訳者も「英検1級はあくまでもスタートラインなんだ、まだまだ飯を食っていけるレベルではない」と仰っています。それを聞いて、私も英検を踏み台にして頑張っていかなければいけないと思っています。

私の仕事は営業なのですが、自分のフィールドに関する知識はかなり持ち合わせています。ですから、それに関する英文を読めるような資格を取っていきたいと思います。具体的には米国税理士などに挑戦していきたいと思います。

ちなみにTOEICについては10年前に900点を超えて以来、TOEICの勉強はやめようと思ったんです。その理由としては、世間でTOEICスコア偽造などの問題もあり、会社がTOEICの公開試験結果を採用しなくなったからです。ですから、私にとってTOEICはもう潮時だと思ったんです。また、私が今後会社の幹部になっていくことを考えた場合、英語学習は継続しつつも、経営判断や英文会計などに力を入れていく必要があるんです。

英語だけではなく、私が携わっている分野の勉強も含め、学び続けていかなければならないことは膨大にあります。ですから現在は、会員制のレンタルオフィスみたいなものがあるので、そこで始業前の1時間勉強したり読書をして出社しています。    

受験者へのアドバイス・メッセージ

私が主張するのは音読です。音読は単調な作業ですから、3回くらい音読したら飽きてしまい、止めてしまうことがあります。しかし、単調なことでも愚直に何回でもやるということが、将来の成長に結びつきます。数学などもそうですが、一つのテキストをボロボロになるまでやるのが一番力が付く方法でした。愚直に一つのことをやることは一見遠回りに見えますが、結果的には近道だと思います。

私は外国語の飲み込みが人より遅くてだいぶ苦労しました。会社に入社後数年してから中国の大学で中国語を学ぶ機会がありました。その前に日本で23週間語学学校で勉強する機会があったんです。私を含め3人参加者がいて、その中で私が一番出来が悪かったんです。他の二人は過去に中国語の勉強をしたことがあるのですが、結果的に私が一番できませんでした。当時私は30歳近くで、それくらいの年齢になるともう言語習得は難しいのかなと思いました。

最初は中国語に苦労はしたのですが、中国の大学に入って勉強し、さらに大学の先生が家庭教師をしてくれたんです。その人がいい人で、音読をさせる人だったんですよ。一日3時間家庭教師をして頂くうちの1時間を音読に充てていました。その先生がポット1杯分のお茶を入れて下さり、そのお茶が1時間でなくなるまで、更には喉が痛くなるまで徹底的に音読したんです。

そして、寝る時には辞書を枕元に置いて、夢で出てきた中国語の単語の意味が分からない時はそれをすぐ調べるようにしていました。このように中国語から離れられない状況を作ったおかげで、23ヶ月間で一気に私の中国語が伸びたのを覚えています。

英語に関しても学び始めは苦労しました。私は小学校5年生で英会話学校に通い始めたんです。みんな単語のスペルが言えるのですが、私だけ言えないんです。何で覚えられないんだろうって思っていた記憶が今でも残っています。ただ、その時は楽しんで勉強できればいいかなという気持ちでした。また、その時の先生が凄くいい先生で、

「間違って笑われることはいいんだよ。過去を振り返っても、笑われなかったことは覚えていないけれども、笑われたことは覚えてるでしょ。英語も笑われて恥をかくことはいいことなんだよ。」

ということを言ってくれたんです。その先生に私は支えられたと思っています。実際に中国で勉強している時のことを振り返ってもそうです。最初は色々間違えて人に笑われてしまったんですけど、それはちゃんと頭の中に残っていますし、それが血となり肉となっている気がします。

恥をかくことが語学において避けられない道であるのならば、むしろどんどん恥をかきましょう・笑われましょう、と私は主張します。

英検は年齢を重ねた人の方が有利だと思います。例えば、ライティングで何かの話題について書く場合、社会人の方が色々経験してきているので要点を押さえて書きやすいと思います。また要点をまとめることについても、仕事で得た知識やスキルを生かすことができると思います。ですから、英検の級が上がれば上がるほど社会人の方が有利になるというのが私の意見です。(筆者注:激しく同意します!)

私の英検受験は1月だったのでまずは風邪をひかないことに気を付けました。また、前日はよく寝るようにもしました。一次試験も二次試験も試験日には耳慣らしとして音読をして試験に臨むといいと思います。私は試験当日朝、杉田先生の本の中の1レッスンを5回くらい音読してから試験に臨みました。

また、英検は思い切って受験することをお勧めします。他の方の話を読んでみると、こんなテキストを使った、こんな語学学校に通った、というようにテクニックに走っている気がします。二次試験の会場でもよく目にしたのですが、過去の内容をベースに自分で書いたスクリプトを暗記しようとしている受験者を多く見ました。例えその内容を暗記しても同じトピックがでることはほとんど無いのですから、それならば色々な文章を音読して、たくさんの言い回しを頭に叩き込んだ方が、多くの場面で応用が効くと思います。

最後になりますが、私の経験が今後英検を受けられる人にとってお役に立てるのであれば、何でも相談に乗らせてもらいたいと思います。    


國弘正雄氏との交流

先述したとおり、國弘先生は、意味がわかる内容を繰り返し音読する「只管朗読」を提唱されています。私が國弘先生に高校生の時に出会って、交流するうちにそれ以外の英語上達方法はありますか、と尋ねました。すると先生は「ない」とはっきり仰いました。

國弘先生は中学の教科書を500回~1000回音読されたそうです。そのような形で同時通訳の第一人者となられました。また、そのような実績が買われ三木(武夫)首相の秘書官も務められました。中学・高校の教科書は英語の基礎です。その基礎を固めるのであれば、大切なのはやっぱり暗記だと思いますね。音読すれば暗記できますので、そう言う意味でも音読が大切だと思いますね。

國弘先生の書籍はほとんど読みました。今は無きサイマル出版会が出版し現在では廃版になってしまいましたが、『英語の話しかた』が特にオススメです(後にたちばな出版が『國弘流 英語の話しかた』として新編を出版)。國弘先生はどの本でも、そうなのですが、英語だけではダメだと仰っています。

國弘流英語の話しかた


特に、一部の英語教育者は語学のみに終始し、その奥にある例えば、アメリカの政治、経済、人種、民族、地理、歴史等には一切関心を示さず、文法の用法にばかりこだわっている点を指摘しています。そんな表面的な英語の指導者が多いのも問題だとも言っています。國弘先生は「そんな英語教師は徹底的に嫌います」と仰っていました。こんな風に國弘先生は厳しいのですが、理にかなったことを常に仰っています。


國弘先生は凄く知識が豊富です。1970年代にNHKの『トークショー』という英語番組を担当されていまし。アメリカやイギリスから有名人を招いて11の対談を行っていました。第1回はアメリカのヒューバート・ハンフリー副大統領をゲストに迎えトークされたんです。第2回が元駐日大使のライシャワー氏でした。そのような対談内容が単行本(NHK出版:『語り合う現代 ― NHK英語会話トーク・ショー (放送ライブラリー)』)になっています。その中で環境問題・人口問題・首都の移転問題など、現在でも問題として取り上げられているものが40年以上も前に話されていました。それも英語でです。

語り合う現代 上―NHK英語会話トーク・ショー (放送ライブラリー)


國弘先生は、英語を勉強するのではなく、英語で勉強しなさいとよく仰っていました。それは口がすっぱくなるくらい言ってみえました。

私は國弘先生と個人的な交流もあり、先生のところに23回泊めてもらったことがあります。また、先生は参議院議員もつとめていらっしゃったので、議員会館にも数回立ち寄り、ご飯をご馳走になったこともあります。

國弘先生に最後にお会いしたのは10年くらい前でその時はもうお爺さんになっていました()。先生はもうお亡くなりになっていますが、世間を見まわしても先生ほど英語を駆使されている方を知りません。

今日國弘先生についてお話しさせていただいたのは全体の10分の1にもなりませんが、また機会があったらお話させていただきたいと思います。    

終わりに

Nさんと話して、本物のビジネスマンってこういう人をいうのかと思いました。話は簡潔かつ明瞭、また様々な情報についても細部までよく覚えていらっしゃいます。また仕事に向かう姿勢についてもこの短い対話の中から色々学ばせて頂けました。対談の最後に、Nさんから「またお会いして話をしたい」と言って頂けて大変嬉しかったです。人の心の掌握術にも長けていらっしゃる方でした()

英語学習に関しては徹底的に音読することを主張されており、私もその熱意のおかげで最近おろそかになっていた音読・暗唱を再開しました。Nさんから直接お話しをお伺いできた私はもちろんですが、この記事を読んで頂き音読の重要さに触れて頂けた方は本当に幸運だと思います。

Nさん、貴重なお時間を本当にありがとうございました!

最近、山口真由氏著『東大主席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』を読んでいます。

山口氏は、東大を主席で卒業され、財務省で務めた後現在は弁護士やコメンテーターとして活躍されています。
一度はメディアで山口氏をご覧になった方も多いと思います。

その中ででてきた「ファインマン効果」についてご紹介します。


東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法



■ファインマン効果
書籍の中で書かれていることを要約すると、ファインマン教授という著名な教授は人物的にも素晴らしいし、授業も分かりやすい。しかし、生徒達の成績は全然ダメで、生徒達は結局彼の授業を聞いて分かった気になっていたが、実は理解していなかった、という内容です。

結局いい授業を受けているだけではダメで、自分が勉強しないと成績は上がらないということです。

もちろん、教え方の上手な先生のおかげでその教科が好きになったり、どんどん勉強に集中できるようになるということがあると思いますから、そのようにモチベーションを上げてくれる先生の存在は重要です。

ただ、生徒にとって大切なのは、そのような先生からもらったやる気を授業内で終わらせず、例えば成績を上げるためならそこから自分で努力していくということですよね。

私はこの事実には気付いていましたが、それが「ファインマン効果」と呼ばれるということは知りませんでした。


■山口氏提唱の7回読みについて
山口氏の7回読みというテクニックは大いに賛成できます。

英語の単語帳がまさか7周すれば全ての単語が身に着くほど甘くはありませんが、最初は覚えようとせず何度も触れいくうちに単語が覚ぼわっていくという点では、山口氏と言ってることは同じだと思います。

私は英会話スクールで中学生に英語を中心に教えていますが、昔塾講をしていたので、他の教科も勉強の仕方をアドバイスしています。

どの教科も成績が上がらない子は、結局同じことを何回もやるということが恐ろしくできていません。
テスト範囲を1周すらできてない生徒がいます。
それでは、もちろん点数はあがりません。
絶対的勉強量が問題と言えばその通りなのですが。

私も通訳案内士のために現在勉強をしています。
YouTubeで世界遺産や城郭などを見ていますが、やっぱり何回も気負わず見ることで、少なくともそこで紹介されているものは覚えてしまいました。

結局みなさん繰り返し勉強することで成績を上げているのでしょうが、山口氏のような経験と実績がある人が言うと説得力があるのでしょうね。



■山口氏はGritな方
それにしても、山口氏の決めたらとことん勉強する、というのも大切な才能だと思います。

昔コンビニで働いていた時に、物知りな人がいました。
確かに浅く広くなんでも話に付き合える人でした。
記憶力はまぁまぁいいんだなって思います。

でも彼の欠点は、継続が全くできないこと。
何か始めるのですが、ちょっとしたらすぐ止めてるんです。
「僕は京大に行くくらいの地頭のよさ」と言ってましたけど、結局地元のFランを留年・中退してます。
継続できない人の末路ってこんなんか、って実感しました。



■まとめ
今回は山口真由氏の『東大主席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』をご紹介しました。
ファインマン効果について、読者の方にも意識をして頂けたら幸いです。

↑このページのトップヘ